モンゴルの首都ウランバートルから南西方向に約90㎞、モンゴル原産馬のタヒ(モウコノウマ、プルジェワルスキーウマ)が保護されている「ホスタイ国立公園」があります。一度は絶滅したタヒを再び野生に戻すための環境が整備される過程で他の野生動物たちの数も増え、現在では50種類以上の哺乳類、220種類以上の鳥類、2種類の両生類、3種類の爬虫類が観察されています。
ホスタイ国立公園で観察できる動物たち
自然相手なので「訪れれば必ず観察できる」という保証はありませんが、公園内にはこんな動物たちが生息しています。
タヒ(モウコノウマ、プルジェワルスキーウマ)
馬好きにとってモンゴルと言えばこの馬、唯一の野生馬とも言われるタヒ(モウコノウマ、プルジェワルスキーウマ)。1969年に野生下では絶滅したと言われていましたが、ヨーロッパ諸国に連れていかれていたタヒの子孫がモンゴルに戻され、再野生化がすすめられました。現在は頭数も増え、公園スタッフによると高確率で遭遇できるとのことです。※タヒは「ノウマ」であり、乗馬等で親しまれている家畜馬のウマとは別系統です。野生馬であるか否かについては未だに研究結論が分かれているようです。
アカシカ
1990年代には密猟などの影響で生息数が約100頭ほどまで減少したといわれるアカシカも、生息環境が保護されたことで個体数を伸ばしています。2020年時点では1200頭まで回復したそうです。こちらもタヒと並び、よく観察されるとの話でした。
タルバガン(シベリアマーモット)
地面に大きめの穴があったら、それはタルバガンの巣穴かもしれません(ネズミの巣穴もいっぱいあるので詳しい話は現地ガイドに確認してみてください)。昔から食用として狩りの対象となっていましたが、近年では毛皮を目的とした乱獲が行われ生息数は激減中。ウランバートル近郊で観察できるのはホスタイ国立公園だけとも言われます。腺ペストの感染源という不名誉な評価もあるので、遭遇できたとしても不用意に近づかないようにしてください。
その他 ヒツジ、オオカミ、マヌルネコなど
その他にも、角の形が特徴的なアルガリ羊(頭から尾までが2m、肩の高さ1.2m、体重180キロという大きさだとか…)が50頭以上が一年を通して生息していたり、ハイイロオオカミが生態系のバランスを整えていたりしています。非常にレアではありますがマヌルネコの生息も確認されているので、強運の持ち主であれば出会うことができるかもしれません。
ホスタイ国立公園のツーリストキャンプ情報
野生動物との出会いにあふれるホスタイ国立公園にはツーリストキャンプが2か所あります。
ホスタイキャンプ
一年を通じて利用できるゲルと、きれいな水洗トイレやシャワーブースが用意されています。
■ 電力 各ゲルにコンセントあり。
■ トイレ 共同の洋式の水洗トイレ。使用済みの紙は備え付けのBOXへ。
■ 風呂 共同の温水シャワー。
■ 電話 レストランゲルにて可能です。
■ ネット レストランゲルにWi-Fiあり。
その他モンゴル語と英語で用意された幅広い詳細情報を備えたインフォメーションセンターや、モンゴル国内の工業製品や手工芸品を販売するギフトショップなどもあります。
モイルトキャンプ
丘陵地帯のなかにあり、大自然の中に完全に没入できるロッジです。
■ 電力 不可。
■ トイレ 落下式。建付けがあまり良くないです。照明がないので、夜は懐中電灯などが必須です。
■ 風呂 ソーラーで温まるシャワーが2基。晴れていればお昼にはお湯がでます。水量は少なく、温度も不安定。
■ 電話 全く通じません。キャンプ場北側の尾根を一つ越えた次の峠まで登ればなんとか通じます。
■ ネット 全く繋がりません。
ウランバートルからのアクセスもよい立地にあるホスタイ国立公園。野生動物たちとの出会いを求めて、ぜひお越しください。
モンゴルの野生動物も街の文化も!