ベリーズという国

 ベリーズを象徴する青い空と海


ベリーズは中米ユカタン半島の東側のつけ根にあり、北はメキシコ、西はグアテマラと国境を接しています。カリブ海に面した、四国より少し大きいくらいの小さな国です。でもその中にはマヤ文明の遺跡から野鳥の楽園、珊瑚礁に守られた豊かな表情のカリブ海を有していて、最近注目を集めています。

数奇な運命をたどった歴史

(ベリーズも自分の国に入れてしまっているグアテマラの古い地図)
(ベリーズも自分の国に入れてしまっている
グアテマラの古い地図)

ヨーロッパの盛衰に振り回された少々複雑なもので、スペインの植民地グアテマラ総督府の領地でありながら統治が十分に及んでいないのをいいことに産業革命後勢力を伸ばしてきたイギリスが植民を開始、ジャマイカからアフリカ系奴隷をつれてくるなど既成事実を積み上げていきました。結果1862年、この地を「英領ホンジュラス」と宣言。その後もグアテマラ側は独立を認めないものの、イギリスが実行支配していました。それがようやく1981年ベリーズとして独立、そして中南米では珍しく英語が公用語の国となっています。

いろんな人が暮らしています

(ベリーズシティのバスターミナルにて)
(ベリーズシティのバスターミナルにて)


人口構成も歴史を反映して複雑で、クレオール(アフリカとヨーロッパの混血)、19世紀メキシコで階級闘争に敗れたスペイン人やメスティソ(先住民との混血)、マヤ先住民、ガリフナ人(アフリカ奴隷とカリブの先住民との混血)、ドイツ系移民メノナイト、中国人や中東からの移民なども暮らしています。ベリーズのスーパーマーケットのかなりが中国人の経営だそうです。
公用語は英語ですが、クレオールの話すクレオール語は英語のアフリカ訛りのようなこのあたり独特のものです。メノナイトはヨーロッパから北米に渡り、迫害を受けて逃げてきたドイツ系のキリスト教一派の移民で文明を嫌い、今も馬で移動してるそうです。小さな国なのに、いろんな文化が混ざっています。

ベストシーズンについて

乾季は視界良好:ブルーホール遊覧飛行からの帰路ベリーズシティを望む
乾季は視界良好
ブルーホール遊覧飛行からの帰路ベリーズシティを望む

おおまかに、12~5月が乾季、6~11月は雨季。遺跡観光をメインにするなら乾季がベストシーズンでしょう。ハリケーンが発生するのも雨季(大きなものは9,10月に多い)ですが、上陸するのは数年に一度くらいだそうです(一説にはバリアリーフに守られているためだとか)。ベリーズシティの海抜はほぼゼロメートル地帯なのでひとたびハリケーンが来るとその被害は甚大なのそうですが、ハリケーンさえ当たらなければ雨季はツーリストも比較的少なく、雨が降ってもすぐ上がるので観光やビーチリゾートにもねらい目です。

ベリーズのお土産

マイルドから激辛まで選べるハバネロソース
マイルドから激辛まで選べるハバネロソース
空港のお土産店にも並ぶラム酒
空港のお土産店にも並ぶラム酒


一番有名なのはハバネロ(辛いソース)です。大きさもバリエーションがあり、小さいのはプラスティックボトルでお持ち帰りに便利です。その他マヤ遺跡関係のグッズやマヤの伝統織を活かしたかばんや衣類(グアテマラからの輸入品が多い)、ハンモックやご当地Tシャツなんかもあります。また、ラム酒やココナッツラムなども有名です。


ここに行くのがお勧め!

ベリーズのATM洞窟
ATM洞窟(Actun Tunichill Muknal アクトゥン・チュニヒル・ムクナル)

ベリーズのジャングル内にある洞窟。鍾乳石もある石灰岩質の長い暗闇の回廊の先には、過去マヤの人々がいけにえの儀式に使ったと思われる壷や人骨が散らばっています。ここでしかできない洞窟探検が楽しめます。
秘境!ベリーズATM洞窟 探検記



深い青が美しいブルーホール
ブルーホール
カリブ海に面したベリーズには世界第二位のバリアリーフ(さんご礁)や、海中に陥没した巨大な穴ブルーホールがあり、シュノーケリングやダイビングほ他に空からの遊覧飛行が楽しめます。
ベリーズ 世界第二のバリアリーフとブルーホール
ラマナイ遺跡(ベリーズ)
ラマナイ遺跡
ジャングルクルーズのようなボートトリップをしながら訪れることのできるマヤ遺跡。巨大仮面の神殿や高さを誇る神殿が圧巻。カラフルや鳥たちにも出会えます。
ボートで訪れる鳥たちの楽園ラマナイ遺跡
カラコル遺跡(ベリーズ)
カラコル遺跡
かつて巨大都市ティカルを攻略した歴史を持つ王国。天空の神殿を意味するカーナ神殿はベリーズ最高の43m。ジャングル奥地にあるため今も警護車同行で訪れます。