ネパールは山国です。海抜60mから世界一高いエベレスト(8,848m)の範囲に位置しています。標高差が多いから、それによって植物も色々です。今まで6,500種類以上の花が咲く植物が記録されています。
マチャプチャレをバックに咲くヒマラヤザクラ
その中で、ヒマラヤザクラ Himalayan Cherry / Prunus cerasoides は山の方で冬に咲く特別な花です。ネパール語でパイニュ(PAINYU)と言われます。海抜800mから2,400mまでに育っています。花が咲く時には、蜜を吸いにクロヒヨドリ、ホオジロヒヨドリ、カンムリチメドリ、オオゴシキドリ、キンノドゴシキドリ、ハイバラメジロなどの鳥たちが来ます。また春には木にいっぱい毛虫がいるので、それを食べに来る鳥たちが見られます。実は熟すると赤色になって、またヒヨドリとゴシキドリの仲間が食べに来ます。もちろん、人間も食べられるので子供たちは喜びます。緑いろの葉っぱはスイギュウ、ウシ、ヤギの餌になります。大きい木と枝は家を作るためにも使います。
ヒマラヤザクラは11月から12月頃に花が咲いて、4月の終わりから5月の一週目ごろに実が熟します。自然のルールによりますと、花は暖かいところから寒いところの方に咲きますけれども、ネパールのヒマラヤザクラは寒いところから暖かいところのほうに咲きます。日本では京都の円山公園のサクラを見に新幹線乗って行ったりしますが、ネパール人は自分の畑で育てたサクラを見るだけです。お花見のような色々なイベントはやりませんが、三日間から五日間だけ咲くサクラのお祭りを行います。
東京農業大学のSOMEGO先生の話(担当者注:染郷正孝 著『桜の来た道―ネパールの桜と日本の桜』)によりますと、日本のサクラの原種はヒマラヤザクラと言われています。
テクより