東西800kmにまたがるネパール・ヒマラヤ。それぞれの山群に魅力はありますが、特に3大トレッキングエリアといわれ、人気を集めているのが、クーンブ山群、アンナプルナ山群、ジュガール=ランタン山群です。
1. エベレスト・エリア(クーンブ山群)
憧れのエベレストにご対面
ネパールで最も人気のあるエリアです。言うまでもなく、最大の魅力は世界最高峰エベレストを眼前に楽しむこと。最短で日本発着9日前後の日程で、それが可能になります。
標高2,840mのルクラへ、カトマンズから東北東に国内線で約30分。ルクラから1泊2日のトレッキングで、シェルパ族最大の村ナムチェバザール(3,440m)へ至ります。今ではインターネットカフェや設備の整ったロッジもある大きな集落ですが、その名の通り金曜の夕方と土曜にはバザールが開かれ、ヒマラヤの南北からあらゆる物資が集結します。
ナムチェバザールから1時間ほど登った標高3,720mのシャンボチェの丘からは、エベレストをはじめクーンブ山群の大パノラマを楽しむことができます。少し時間に余裕があればチベット仏教僧院のあるタンボチェ(3,860m)へ足を伸ばすのも一考です。もちろん高山病対策は必要ですが、特別に健脚でなくとも体力があれば十分に楽しめるコースです。
体力・時間・予算に余裕があれば、さらに高度を上げ、エベレストの展望台カラパタール(5,550m)とクーンブ山群の展望台ゴーキョ・ピーク(5,360m)を目指すのがお勧めです。ルクラから予備日も入れて往復約2週間。8,000m峰と氷河に迫るトレッキングは、まさにヒマラヤが「第3の極地」だと感じられるダイナミックなルートです。
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2. アンナプルナ・エリア(アンナプルナ山群とダウラギリ山群)
アンナプルナBCからアンナプルナⅠの南壁
エベレスト・エリアと人気を二分するアンナプルナ・エリア。比較的標高が低く、初心者から上級者まで楽しめるバリエーションの豊富さが魅力です。拠点となるポカラの標高はわずか872m。気候は亜熱帯。ポカラに降り立つと、「ヒマラヤのマッターホルン」とも形容されるマチャプチャレや、どっしりとしたアンナプルナ南峰など6,000~8,000m級の山々が目に飛び込んできます。
風の旅行社直営ロッジ「つきのいえ」や提携リゾート「はなのいえ」があるダンプス(1,650m)、アスタム(1,450m)など、ヒマラヤの展望が素晴らしい素朴な山村をのんびり歩くトレッキングは2~3日程度から可能です。また、1週間程の時間があれば、カトマンズ観光やチトワン国立公園のサファリなどと組合わせても良いでしょう。
本格的なトレッキングを目的とするならば、ダウラギリの雄姿が望めるプーンヒル(3,198m)を目指すゴレパニ・コース、片道5~6日かけてマチャプチャレとアンナプルナのベースキャンプ(4,130m)を訪れて高低差4,000mの南壁を仰ぎ見るアンナプルナ内院(アンナプルナBC)コース、そして、2週間以上かけて5,000m級の峠を越えアンナプルナ山群を一周するラウンドアンナプルナ・コースなどもあります。
また、ポカラからジョムソン(2,720m)へ飛べば、荒涼としたチベット的な風景に一転。ダウラギリ、ニルギリ、トゥクチェ・ピークなどの高峰に挟まれたカリガンダキ川沿いを北上し、ムスタンを経てチベットへ至るルートは「ジョムソン街道」と呼ばれ、かつてはチベット系のタカリ族がインドとチベットを結ぶ塩や麦、毛織物のキャラバンを盛んに行ってきた交易路です。
ジョムソン付近はアンナプルナ山群の北側に位置し、モンスーンの影響を受にくく降水量が少ないため、トレッキングシーズンが他のエリアよりも早く訪れるのも魅力といえるでしょう。
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3. ランタン・エリア(ジュガール=ランタン山群)
ヒマラヤ襞が美しいガンチェンポ
ランタン谷は、イギリスの登山家ティルマンによって「世界で最も美しい谷」と紹介された事で有名です。春はシャクナゲ(ネパール名=ラリグラス)が咲き、雨期にあたる7月~8月は一面の草原と高山植物の花畑となり、フラワートレッキングを楽しむことができます。
カトマンズから車で7時間ほどのところにあるシャブル村がトレッキングのスタート地点。ランタン谷をランシサカルカまで目指すコースは、深い谷底から山々を見上げながら歩くルートで、他では味わえない醍醐味があります。
ヒンドゥ教の聖地ゴサインクンド(4,380m)を訪れるコースは、見晴らしの良い尾根からランタン山群やガネッシュ山群の山々が望め、同じ山群のトレッキングとはいえランタン谷とは異なる趣が楽しめます。
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