新企画「フォトジェニック・キルギス」の魅力

朝は風もなく穏やかな鏡面を見せてくれたウコック湖


今年のお盆は「フォトジェニック・キルギス」ツアーへ。例年になく、キルギスツアーが大盛況につき、6月バルスコン7月ソンクル、8月はこちらと、3回目のキルギスツアー同行となりました。

今回はこのツアーに添乗してきました。(2024年8月)

ターコイズブルーの2つの湖を馬と徒歩で訪れる

終了 フォトジェニック・キルギス9日間

出発日設定2024/07/19(金)~2024/08/09(金)
ご旅行代金488,000円~559,000円
出発地東京
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終了


ツアー名 ● 2つの湖を馬と徒歩で訪れる フォトジェニック・キルギス9日間
2024年8月9日(金)~2024年8月17日(土)
文・写真 ● 平山未来(東京本社)

“絶景天国”ナリン州にも足を延ばします!

夏の間、キルギスの遊牧民が家畜の放牧地としてやってくる、標高3,000mの高山湖コル・ウコック。4000m級の美しい天山山脈の雪山を背景に、トルコ石色の湖、真っ青な青空、そして緑の草原と初夏には一面のお花畑が広がる「天空の小さな湖」です。

まだあまり知られていないウコック湖はソンクル湖に比べると訪れる人も少なく静かに過ごせるのが魅力。ターコイズブルーの美しい湖畔まで馬で1泊2日の騎馬トレッキングを楽しみ、ウコック湖では湖畔のユルタキャンプに宿泊します。夏場は天気が良ければ満天の星空が広がります。

中日にはさらに400mほど高い場所にある小さな小さな湖コル・トールまで足を伸ばします。(途中まで馬で進みますが、急峻な場所にあるため最後は徒歩でのトレッキングとなります。歩行=往復約2時間。)

旅の後半は中国との国境付近にあるナリン州へ。キルギス南部に位置するナリン州は『タザ・クルグス(純粋なキルギス)が住むところ』と言われるほど、もっともキルギスらしい場所ともいわれています。

タシュラバット(かつての隊商宿キャラバンサライ)を訪ね、キャラバン隊の軌跡を辿りながらチャトゥルキョル湖を目指します。「絶景天国」ともいわれるナリンの旅をお楽しみください。



このツアーは今年の『新企画』ですが、実は、2019年8月にウコックへ出張&下見をした後、長いコロナ禍へと突入してしまい、泣く泣く4年ほど眠らせていたプログラムです。なんと、設定した2本ともがまさかの<満員御礼&キャンセル待ち>。予想外の展開に企画者の私もびっくりです。

今回、念願かなって、“とっておきの旅” をたくさんのお客様に直に喜んでいただけて、大変うれしい日々でした!

急な登り道を自力で歩いた人だけが見ることができるコルトール湖



山と草原の国キルギス

「キルギスはとっても素敵なところ!」と、アツく他人に話しても、日本人にはまだまだ馴染みが薄く、「え、そもそもどこにあるの?」と必ず聞かれます。地図で「kyrgyz」という国名を見たことがある人も相当少ないのではないでしょうか。



そのマイナーさのおかげで観光客はまだ少なく、絶景をほぼ貸し切りにちかい状態で味わえてしまう。それこそが、知る人ぞ知る、キルギスの素晴らしさとも言えるでしょう。

キルギスの国土は日本の半分ほどと小さい国ですが、面積の約93%は標高1,500m以上といわれるほど、高原や山岳地帯に囲まれた山国。よく言われるキャッチコピーは「中央アジアのスイス」。ハイジが居そうな、草原と美しい山々の景色がそこらじゅうに広がっています。

ウコック湖畔のユルタキャンプでは搾りたての新鮮でおいしいミルクを頂きました◎



モンゴルのアルタイ地域とも関係が深く、騎馬民族の末裔たちが馬やロバや羊などの家畜とともに暮らしていて、日本よりもずっと身近に動物たちの存在を感じられる国でもあります。自然好き、動物好きには、“癒し” しかありません・・・!

キルギスの湖水はシルクロードのオアシス

ユーラシア大陸の中央部、新疆ウイグル自治区からキルギス東部には、乾いた大地を清らかな雪解け水で潤す恵みの山々があります。シルクロードの人々は、これらを天の山=天山山脈と名づけ、太古の昔から敬虔な気持ちで崇めてきました。

今回の旅のメインは「ウコック」と「チャトゥルキョル」。右下の白色のドドーンと広がっているのが雄大な天山山脈。



「高地」で「山国」と聞くと、とっても険しいイメージを持たれそうですが、天山山脈の恵み(雪解け水や氷河湖など)の恩恵で、ふさふさの緑の草原、清らかで美しい渓谷、背後には天山山脈の山々や氷河の景色が広がり、比較的短期間で大自然を満喫することができるのがキルギスの魅力です。

ウコック湖の水面近くを馬で散策



近い将来的、山小屋などのロッジが建てられ、道は舗装路へと整備が進み、ヨーロッパのように整ったトレッキングルートになることが予想されますが、今はまだ自力でのトレッキング、または馬で旅するホーストレッキングが必要なワイルドなルートがほとんどです。

日本語のガイドブックには当然載っていない場所ばかり。いろんな意味でまだまだ“開発途上”で、知っている人&訪れることが出来る人が非常に限られている場所だからこそ、すばらしい魅力がたくさんあるのです! 


標高は4000m近いチャトゥルキョル峠。眼下にはチャトゥルキョル湖と天山山脈!



本当は、人には黙っておきたい “とっておきの場所” なのですが、このツアーにご興味を持って頂いた方向けに、まだほとんど知られていない「ウコック湖」や「チャトゥルキョル峠」を旅する魅力についてを、一部かいつまんでご紹介いたします。

1.“シルクロードを馬で旅する” キャラバン気分が味わえる

キルギスらしさをもっとも楽しめる旅とは、山や湖水などの大自然を馬で往くのが一番!と、「風のキルギス」では、馬旅を強く推しています。今回のこちらのコースでは、「氷河湖や峠を目指す」という、日本ではまずできない壮大な景色が味わえるのが魅力。

氷河湖コルトールを目指して、雪山を拝みながら進む絶景ルート



足元には可憐なお花たち、目の前には美しい氷河湖。すぐ横を流れる清流のせせらぎに癒されながら、馬や人だけが通る自然のトレイルをトコトコ歩いて、キャラバンで旅をするというロマン。

車で移動するよりもはるかに楽しく、道中の草原や山脈の美しい景色を肌で感じられる。馬で旅して初めて体感できるキャラバン旅の険しさ(雨や雹や土埃etc…)は、かつてこの地を旅した、いにしえの旅人たちへの敬意を抱かずにはおれません。

旅の後半はダイナミックな岩山たちが迫る絶景コースを経てチャトゥルキョル峠へ



日本ではまず味わえないスケール感と、富士山よりも高い標高へ行った!!という達成感が味わえるのがこのコースの大きな魅力です。


2.キャラバン体験は1泊2日と日帰りなのでビギナーにも敷居が低い

このツアーのキャラバンは、前半のウコックでは1泊2日、後半のチャトゥルキョル峠は日帰りと、比較的短い時間で楽しむことができます。最初のウコックでは、初日は4時間弱。翌日も5時間前後。しかも、最初は4輪駆動車なら通れる開けた道なので、馬を操作する難易度はかなり低め。(この林道は2-3年後には舗装される見込みとのこと。そうなったら観光客が一気に増えて、キャラバン旅もできなくなることでしょう)

1日目は一面お花畑の草原を抜けて、湖を目指し、徐々に高度を上げていきます



行先がなにしろ僻地のため、車移動が多いという事情もあり、乗馬は全部で3日間。日を追うごとに徐々に難易度が上がっていくコースになっています。

そして、キルギス馬はモンゴル馬に比べれば遥かに人慣れしており、暴走する危険性も少ない馬たちです。適切な指示を出せば、とても従順でお利口さんばかりなので、そういう意味でも、乗馬初心者の方に安心して乗っていただけます。

2日目の帰路にはだいぶ馬にも慣れてきて、彼らに任せて難路もスイスイ進めます



3.宿泊するのはテントではなくユルタ

乗馬プログラムの合間の宿泊はユルタです。キャンプツアーでは山岳テントに泊まるものが多く、天候が荒れてしまうとかなりハードな旅になりますので、ユルタ泊の方が気軽です。キャンプなどのアウトドア経験がほとんどない方、テント泊は不安・・・という方は、まずはユルタ泊のツアーに参加されることをお勧めしています。

寝具はベッドの上に布団が備え付けられていますが、現地では暖かい寝袋+インナーシーツもご用意しています。薪ストーブもあるので、寒いと感じることはほとんどありません。天井が高いので、ゆったり過ごせるのが山岳用テントとの大きな違い。


Ukok Lake Camp

最初に訪れるウコック湖のユルタキャンプの設備は質素ですが、アットホーム感が最高でした!



前半のユルタは、ウコック湖畔に位置し、遠くに雪山が望めるロケーション。訪れる観光客が少ないため、ユルタの数自体も少なく、家族経営で、アットホーム。お母さん手作りの乳製品とやさしい味付けの手料理が本当に美味しかったです。電気設備が最小限のため、夜には満天の星空も楽しめました!

ユルタの数が少なく、電気設備もないおかげで夜は満天の星空が楽しめました




Tash Rabat Camp

後半のタシュラバトのユルタキャンプはエーデルワイスが咲いていました♪



後半のユルタは、タシュラバトのキャラバンサライのすぐそばに位置しており、すぐ脇を清流が流れていてとても気持ちのいいキャンプ。車道が通っているため、ウコックに比べるとユルタの数も多く、大型のユルタキャンプですが、電気もある程度通電していたり、トイレが水洗だったり、食材が豊富だったりと、あらゆる面で快適そのもの。

ユルタの前で、のんびりお昼寝タイム。なんとも贅沢な時間でした~



ユルタでは、同性のツアーメイトたちと2-5名での相部屋になります。相部屋だからこその楽しいおしゃべりも、きっと思い出深い体験となりますよ◎

4.異なるロケーションでそれぞれの絶景が楽しめる

前述の通り、前半は氷河湖と雪山後半は岩山と渓谷を馬で往くため、まったく異なる風景を楽しむことができます。また、ナリン州は“絶景天国”とも言われており、天山山脈にも近いため、移動中の風景もフォトジェニックでした!

ナリンに行くと、カッコイイ天山山脈の山々がドーン!



5.毎日美味しいごはんでおなかいっぱい

ユルタ泊だと、山中でのキャンプツアーに比べれば食材の数も多いので、生野菜や果物も登場し、バリエーションも豊かです。

主食はパン(ナン)ですが、プロフやメイン料理でごはんが出てきたり、前菜に出てくるスープや野菜などの種類も豊富。肉料理が多いこともあってか、ハーブが頻繁に使われていますが、香辛料は多用していないので日本人にも合う料理がほとんどです。美味しすぎるので食べ過ぎ注意

夏のキルギスの一番の魅力は新鮮な果物がたくさん食べられること!7-8月はメロン(ハミウリ)やスイカの時期。それなりに運動量がある乗馬後は特に、果物が美味しく感じられるので、ペロリと食べられてしまいます。

今回ツアー中に食べた美味しい中央アジア料理の数々



6.高度順応がしやすい行程です

最初に訪れるウコック湖は標高が3000m前後で、前日に泊まるコチコルは1800mの高原。後半に訪れるタシュラバトは3500m程度。最後のハイライトの峠が4000m近くまで上がりますが、徐々に標高をあげていく行程になっていますので今回の旅でも高山病の症状が重症化する方はいませんでした。

いままで3000m以上の高所未経験の方、体質的に高所に弱いと自覚している方は、事前にご案内している予防薬ダイアモックスを飲まれることをお勧めいたします。


ウコックキャンプのやさしいお母さんと、出発前にパシャリ



尚、3000m以上の高所ツアーでは、パルスオキシメーターでのSPO2(血中酸素濃度)測定や高所滞在の対策についてのご案内などをお送りします。高所ツアーが不安な方は事前にご相談ください。



(パルスオキシメーターで酸素量をチェック!添乗スタッフは平地並み)


7.タシュラバトのキャラバンサライがジブリの世界観にちかい

これは完全に個人の感想ですが、タシュラバトで見学したキャラバンサライ(かつての隊商宿)が、それはそれは素敵な場所にあり、とっても良い気が流れていました。隊商宿の前には、キリスト教の修道院でもあったという説もあり、どことなく神秘的な雰囲気も漂っています。

岩肌に植物が生え、爽やかな風が吹き抜け、やや鄙びた感じが、なんともジブリの世界(天空の城ラピュタや風の谷のナウシカをMIXしたような場所)を回想させる場所。自然と浮遊感に包まれて、終始ふわふわしておりました。シルクロードのロマンに惹かれる方はもちろんですが、ジブリの世界が好きな方にもおすすめです。

タシュラバトのキャラバンサライはとっても良いところですよ


8.山麓のゲストハウスやホテルも居心地最高

ユルタの滞在ももちろん素敵なのですが、ユルタの前後に泊まるゲストハウスやホテルも快適な宿を選んでいます。ゲストハウスというと、あまり期待されない方が多いですが、現地パートナーが経営しているロッジ並みの施設なので、とても快適に過ごせます。スマホやカメラの充電、シャワーなど、山麓の宿で合間にしっかりリフレッシュできるので、ストレスも少なく旅が続けられるのもこのツアーの良い点だと思います。

上列:コチコルのゲストハウス 下列:ナリンのホテル どちらも快適でした


9.現地に住むキルギスの人たちとの触れ合いも旅の思い出に

「風のキルギス」では、行程の一部に必ず民家の食事を含めています。一般民家でいただく料理は、レストランよりも見た目は素朴ですが、全体的にやさしい味付けで、品数も豊富。日本人には食べやすい料理ばかり。お家の中を拝見したり、子供たちと遊ぶひとときも、旅の思い出のひとつとなることでしょう。

メインはベシュバルマックと、食後は子供たちと綱引き合戦!


10.少人数限定だからツアーメンバーともすぐに仲良くなれる

「これから数日間、どんな方とご一緒するのだろう?」
旅の始まりはちょっとドキドキする瞬間、そんな方も少なくないでしょう。

特に乗馬経験がない方ですと、どんな人が参加しているのか、自分だけ足を引っ張らないか、多少なりとも初日は緊張するのではないでしょうか。しかし、今回のツアーもほとんどが乗馬経験が少なく、似たような志向の方が多かったので、すぐに打ち解けていらっしゃいました。

時期にもよりますが、比較的年齢が近い方も多く、秘境好きやマイナーな地域の旅が好きな方が多いので、旅仲間も似たような人たちが集まってくるんだなぁと今回の旅でも感じました。
 

標高3400mのコルトール湖まで来れた達成感!




「旅は、どこにいくかよりも、誰と行くかで決まる」 とはよく言いますが、きっと、KAZEのツアーに参加される方は、旅を楽しくさせてくれる方ばかりだと思いますよ!


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海外の旅は、人生で何度も行くものではないからこそ、このレポートで風のキルギスツアーの特徴や雰囲気をなんとなく感じていただき、ツアー選びの参考にしていただけば幸いです。

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コメント一覧

素敵な旅ありがとうございました❗️大好きな馬に乗って、圧巻の景観が見れるなんて今も感動冷めやらずと言う感じです。またお食事も全て美味しく、星空や川の流れに日本とキルギスの繋がりも感じました。もう普通の旅には戻れません(笑)キルギスに中央アジアにハマりました。今後とも素敵な企画お願いします。

草島有理2024.08.24 07:04 am

>草島さん こちらこそ、楽しい時間を一緒に過ごさせていただき、ありがとうございました。和気あいあいと、あっという間の楽しい9日間でしたね。キルギスの方々は日本人に似ている方が多く、「ヤポーニャ(日本人)」と答えると、みなさんニコッと笑ってくれて、親日国なのも嬉しいポイントですね。「ここはどこ?!」というような、マニアックな旅ばかりですが、またキルギスに再訪していただけたら嬉しく思います。もうちょっとゆったりプランもありますので。またどこかの馬旅でご一緒出来ることを楽しみにしております◎

スタッフの声2024.08.27 05:56 pm

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